<前
P1303 次>釈迦如来は正しく法華経に「悪世末法の時能く是の経を持つ者」等云云、善導云く千中無一等云云、いづれを信ずべしや、又云く日蓮がみる程の経論を善導法然上人は御覧なかりけるかと申すか、若しこの難のごとくならば昔の人の謬をば後の人のいかにあらわすべからざるか。
かたきはををくかたきはつよく、かたうどはこわくしてしまけ候へば悪心ををこしてかへつて法華経の信心をもやぶり悪道にをち候なり、あしきところをばついしさりてあるべし、釈迦仏は三十二相そなわつて身は金色面は満月のごとし、しかれども或は悪人はすみとみる或は悪人ははいとみる或は悪人はかたきとみる。
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