日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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阿仏房御書

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此の御志をば日蓮はしらず上行菩薩の御出現の力にまかせたてまつり候ぞ、別の故はあるべからずあるべからず、宝塔をば夫婦ひそかにをがませ給へ、委くは又又申すべく候、恐恐謹言。

=文永九年壬申三月十三日        日蓮花押

%阿仏房上人所へ

*妙法曼陀羅供養事

   /文永十年 五十二歳御作

+与千日尼

 妙法蓮華経の御本尊供養候いぬ、此の曼陀羅は文字は五字七字にて候へども三世の諸仏の御師一切の女人の成仏の印文なり、冥途にはともしびとなり死出の山にては良馬となり天には日月の如し地には須弥山の如し生死海の船なり成仏得道の導師なり。

 此の大曼陀羅は仏滅後二千二百二十余年の間一閻浮提の内には未だひろまらせ給はず、病によりて薬あり軽病には凡薬をほどこし重病には仙薬をあたうべし、仏滅後より今までは二千二百二十余年の間は人の煩悩と罪業の病軽かりしかば智者と申す医師たちつづき出でさせ給いて病に随つて薬をあたえ給いき、所謂倶舎宗成実宗律宗法相宗三論宗真言宗華厳宗天台宗浄土宗禅宗等なり、彼の宗宗に一一に薬あり、所謂華厳の六相十玄三論の八不中道法相の唯識観律宗の二百五十戒浄土宗の弥陀の名号禅宗の見性成仏真言宗の五輪観天台宗の一念三千等なり。

 今の世は既に末法にのぞみて諸宗の機にあらざる上、日本国一同に一闡提大謗法の者となる、又物に譬うれば父母を殺す罪謀叛ををこせる科出仏身血等の重罪等にも過ぎたり、


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満月城岡山ポケット版御書