日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

浄蓮房御書

<前 P1435 次>


提婆達多は阿鼻地獄に堕ちしかども天王如来の記を送り給いき彼は仏と提婆と同性一家なる故なり、此れは又慈父なり子息なり、浄蓮上人の所持の法華経いかでか彼の故聖霊の功徳とならざるべき、事多しと申せども止め畢んぬ三反人によませてきこしめせ、恐恐謹言。

=六月二十七日                       日蓮花押

%  返す返すするがの人人みな同じ御心と申させ給い候へ。

*新池殿御消息

         /弘安二年五月  五十八歳御作

 八木三石送り給い候、今一乗妙法蓮華経の御宝前に備へ奉りて南無妙法蓮華経と只一遍唱えまいらせ候い畢んぬ、いとをしみの御子を霊山浄土へ決定無有疑と送りまいらせんがためなり。

 抑因果のことはりは華と果との如し、千里の野の枯れたる草に螢火の如くなる火を一つ付けぬれば須臾に一草二草十百千万草につきわたりてもゆれば十町二十町の草木一時にやけつきぬ、竜は一・の水を手に入れて天に昇りぬれば三千世界に雨をふらし候、小善なれども法華経に供養しまいらせ給いぬれば功徳此くの如し、仏滅後一百年と申せしに月氏国に阿育大王と申せし王ましましき一閻浮提八万四千の国を四分が一御知行ありき、竜王をしたがへ鬼神を召し仕はせ給う、六万の羅漢を師として八万四千の石塔を立て十万億の金を仏に供養し奉らんと誓はせ給いき、かかる大王にてをはせし其の因位の功徳をたづぬればただ土の餅一釈迦仏に供養し奉りし故ぞかし、釈迦仏の伯父に斛飯王と申す王をはします、彼の王に太子あり阿那律となづく此の太子生れ給いしに御器一つ持ち出でたり、彼の御器に飯あり食すれば又出でき又出でき終に飯つくる事なし、故にかの太子のをさな名をば如意となづけたり、


<前 P1435 次>


満月城岡山ポケット版御書