<前
P1579 次>彼の月氏の霊鷲山は本朝此の身延の嶺なり、参詣遥かに中絶せり急急に来臨を企つべし、是にて待ち入つて候べし、哀哀申しつくしがたき御志かな御志かな。
=弘安四年九月十一日 日蓮花押
% 南条殿御返事
いゑのいも一駄ごばう一つと大根六本、いもは石のごとしごばうは大牛の角のごとし大根は大仏堂の大くぎのごとしあぢわひは・利天の甘露のごとし、石を金にかうる国もあり土をこめにうるところもあり、千金の金をもてる者もうえてしぬ、一飯をつとにつつめる者にこれをとれり、経に云く「うえたるよにはよねたつとし」と云云、一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候、又又申すべし、恐恐謹言。
=弘安四年九月廿日 日蓮花押
% 上野殿御返事
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