日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

富士一跡門徒存知の事

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此の相違に依つて五人と日興と堅く以て義絶し畢んぬ。

 一、五人一同に云く、諸の神社は現当を祈らんが為なり仍つて伊勢太神宮と二所と熊野と在在所所に参詣を企て精誠を致し二世の所望を願う。

 日興一人云く、謗法の国をば天神地祗並びに其の国を守護するの善神捨離して留らず、故に悪鬼神其の国土に乱入して災難を致す云云、此の相違に依つて義絶し畢んぬ。

 一、五人一同に云く、如法経を勤行し之を書写し供養す仍つて在在所所に法華三昧又は一日経を行ず。

 日興が云く、此くの如き行儀は是れ末法の修行に非ず、又謗法の代には行ずべからず、之に依つて日興と五人と堅く以て不和なり。

 一、五人一同に云く、聖人の法門は天台宗なり仍つて比叡山に於て出家授戒し畢んぬ。

 日興が云く、彼の比叡山の戒は是は迹門なり像法所持の戒なり、日蓮聖人の受戒は法華本門の戒なり今末法所持の正戒なり、之に依つて日興と五人と義絶し畢んぬ。

 已前の条条大綱此くの如し此の外巨細具に注し難きなり。

 一、甲斐の国波木井郷身延山の麓に聖人の御廟あり而るに日興彼の御廟に通ぜざる子細は彼の御廟の地頭南部六道入道[法名日円]は日興最初発心の弟子なり、此の因縁に依つて聖人御在所九箇年の間帰依し奉る滅後其の年月義絶する条条の事。

 釈迦如来を造立供養して本尊と為し奉るべし是一。

 次に聖人御在生九箇年の間停止せらるる神社参詣其の年に之を始む二所三島に参詣を致せり是二。

 次に一門の勧進と号して南部の郷内のフクシの塔を供養奉加之有り是三。


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