日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

開目抄上

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世尊法久後要当説真実と照させ給いて華光如来光明如来等と舎利弗迦葉等を赫赫たる日輪明明たる月輪のごとく鳳文にしるし亀鏡に浮べられて候へばこそ如来滅後の人天の諸檀那等には仏陀のごとくは仰がれ給しか、水すまば月影ををしむべからず風ふかば草木なびかざるべしや、法華経の行者あるならば此等の聖者は大火の中をすぎても大石の中をとをりてもとぶらはせ給うべし、迦葉の入定もことにこそよれ、いかにとなりぬるぞいぶかしとも申すばかりなし、後五百歳のあたらざるか広宣流布の妄語となるべきか日蓮が法華経の行者ならざるか、法華経を教内と下して別伝と称する大妄語の者をまほり給うべきか、捨閉閣抛と定めて法華経の門をとぢよ巻をなげすてよとゑりつけて法華堂を失える者を守護し給うべきか、仏前の誓いはありしかども濁世の大難のはげしさをみて諸天下り給わざるか、日月天にまします須弥山いまもくづれず海潮も増減す四季もかたのごとくたがはずいかになりぬるやらんと大疑いよいよつもり候。

 又諸大菩薩天人等のごときは爾前の経経にして記・をうるやうなれども水中の月を取らんとするがごとく影を体とおもうがごとくいろかたちのみあつて実義もなし、又仏の御恩も深くて深からず、世尊初成道の時はいまだ説教もなかりしに法慧菩薩功徳林菩薩金剛幢菩薩金剛蔵菩薩等なんど申せし六十余の大菩薩十方の諸仏の国土より教主釈尊の御前に来り給いて賢首菩薩解脱月等の菩薩の請にをもむいて十住十行十回向十地等の法門を説き給いき、此等の大菩薩の所説の法門は釈尊に習いたてまつるにあらず、十方世界の諸の梵天等も来つて法をとく又釈尊にならいたてまつらず、総じて華厳会座の大菩薩天竜等は釈尊以前に不思議解脱に住せる大菩薩なり、釈尊の過去因位の御弟子にや有るらん十方世界の先仏の御弟子にや有るらん、一代教主始成の正覚の仏の弟子にはあらず、阿含方等般若の時四教を仏の説き給いし時こそやうやく御弟子は出来して候へ、此も又仏の自説なれども正説にはあらず、ゆへいかんとなれば方等般若の別円二教は華厳経の別円二教


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