日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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種種御振舞御書

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これは法華経の行者をそしりしゆへにあたりし罰とはしらずや。

 されば鹿は味ある故に人に殺され亀は油ある故に命を害せらる女人はみめ形よければ嫉む者多し、国を治る者は他国の恐れあり財有る者は命危し法華経を持つ者は必ず成仏し候、故に第六天の魔王と申す三界の主此の経を持つ人をば強に嫉み候なり、此の魔王疫病の神の目にも見えずして人に付き候やうに古酒に人の酔い候如く国主父母妻子に付きて法華経の行者を嫉むべしと見えて候、少しも違わざるは当時の世にて候、日蓮は南無妙法蓮華経と唱うる故に二十余年所を追はれ二度まで御勘気を蒙り最後には此の山にこもる、此の山の体たらくは西は七面の山東は天子のたけ北は身延の山南は鷹取の山四つの山高きこと天に付きさがしきこと飛鳥もとびがたし、中に四つの河あり所謂富士河早河大白河身延河なり、其の中に一町ばかり間の候に庵室を結びて候、昼は日をみず夜は月を拝せず冬は雪深く夏は草茂り問う人希なれば道をふみわくることかたし、殊に今年は雪深くして人問うことなし命を期として法華経計りをたのみ奉り候に御音信ありがたく候、しらず釈迦仏の御使か過去の父母の御使かと申すばかりなく候、南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経。


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満月城岡山ポケット版御書