<前
P1483 次>法華経の題目をとなへまいらせてまいらせ候。
= 十一月二日 日 蓮 花 押
% 妙心尼御前御返事
五十八歳御作
十字五十まいくしがき一れんあめをけ一送り給い了んぬ、御心ざしさきざきかきつくしてふでもつひゆびもたたぬ、三千大千世界に七日ふる雨のかずはかずへつくしてん、十方世界の大地のちりは知る人もありなん、法華経の一字供養の功徳は知りがたしとこそ仏はとかせ給いて候へ、此れをもつて御心へあるべし、恐恐謹言。
= 十二月二十七日 日 蓮 花 押
% くぼの尼御前御返事
五十九歳御作
すずのもの給いて候、たうじはのう時にて人のいとまなき時かやうにくさぐさのものどもをくり給いて候事いかにとも申すばかりなく候、これもひとへに故入道殿の御わかれのしのびがたきに後世の御ためにてこそ候らんめ、ねんごろにごせをとぶらはせ給い候へばいくそばくうれしくおはしますらん、
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