日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

窪尼御前御返事 /弘安四年十二月

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この長者もといををころしてあきなへて長者となりしゆへにこの寺つゐにうせにき、今の人人の善根も又かくのごとく大なるやうなれどもあるひはいくさをして所領を給或はゆへなく民をわづらはしてたからをまうけて善根をなす、此等は大なる仏事とみゆれども仏にもならざる上其の人人あともなくなる事なり。

 又人をもわづらはさず我が心もなをしく我とはげみて善根をして候も仏にならぬ事もあり、いはくよきたねをあしき田にうえぬればたねだにもなき上かへりて損となる、まことの心なれども供養せらるる人だにもあしければ功徳とならず、かへりて悪道におつる事候。

 此れは日蓮を御くやうは候はず法華経の御くやうなれば釈迦仏多宝仏十方の諸仏に此の功徳はまかせまいらせ候、抑今年の事は申しふりて候上当時はとしのさむき事生れて已来いまだおぼへ候わず、ゆきなんどのふりつもりて候事おびただし、心ざしある人もとぶらひがたし、御をとづれをぼろげの御心ざしにあらざるか、恐恐謹言。

= 十二月二十七日    日  蓮 花 押

%  くぼの尼御前御返事

*三沢御房御返事 /文永十二年

 五十四歳御作

+        与三沢小次郎

 佐渡の国の行者数多此の所まで下向ゆへに今の法門説き聞かせ候えば未来までの仏種になる事是れ皆釈尊の法恩ありがたし、越後にて此の歌詠じ候ゆへ書き送り候なり。

  おのづからよこしまに降雨はあらじ風こそ夜の・をうつらめ。

= 二十一日


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満月城岡山ポケット版御書