<前
P1530 次>日は西よりいづる世月は地よりなる時なりとも仏の言むなしからじとこそ定めさせ給いしか、これをもつておもうに慈父過去の聖霊は教主釈尊の御前にわたらせ給いだんなは又現世に大果報をまねかん事疑あるべからず、かうじんかうじん。
= 建治二年正月十九日 日蓮花押
% 南条殿御返事
五十五歳御作
いものかしら河のり又わさび一一人人の御志承り候いぬ、鳥のかいこをやしなひ牛の子を牛のねぶるが如し、夫れ衣は身をつつみ食は命をつぐ、されば法華経を山中にして読みまいらせ候人をねんごろにやしなはせ給ふは、釈迦仏をやしなひまいらせ法華経の命をつぐにあらずや、妙荘厳王は三聖を山中にやしなひて沙羅樹王仏となり、檀王は阿私仙人を供養して釈迦仏とならせ給ふ、されば必ずよみかかねどもよみかく人を供養すれば仏になる事疑ひなかりけり、経に云く「是の人仏道に於て決定して疑有ること無けん」南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。
= 建治二年三月十八日 日蓮花押
% 謹上 南条殿御返事
% 橘三郎殿太郎大夫殿一紙に云云恐れ入り候、返す返すははき殿読み聞かせまいらせ給へ。
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