日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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南条殿御返事

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金ぞく王は、いさごを金となし給いき。

 今のむぎは法華経のもんじなり、又は女人の御ためにはかがみとなり身のかざりとなるべし、男のためにはよろひとなりかぶととなるべし、守護神となりて弓箭の第一の名をとるべし、南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経、恐恐謹言。

 このよの中はいみじかりし時は何事かあるべきとみえしかども当時はことにあぶなげにみえ候ぞ、いかなる事ありともなげかせ給うべからず、ふつとおもひきりてそりやうなんどもたがふ事あらばいよいよ悦びとこそおもひてうちうそぶきてこれへわたらせ給へ、所地しらぬ人もあまりにすぎ候ぞ、当時つくしへむかひてなげく人人はいかばかりとかおぼす、これは皆日蓮をかみのあなづらせ給いしゆへなり。

=七月二日                          日蓮花押

%  南条殿御返事

*庵室修復書

   /建治三年 五十六歳御作

 去文永十一年六月十七日にこの山のなかにきをうちきりてかりそめにあじちをつくりて候いしがやうやく四年がほどはしらくちかきかべをち候へどもなをす事なくてよるひをとぼさねども月のひかりにて聖教をよみまいらせわれと御経をまきまいらせ候はねども風をのづからふきかへしまいらせ候いしが、今年は十二のはしら四方にかふべをなげ四方のかべは一そにたうれぬ、うだいたもちがたければ月はすめ雨はとどまれとはげみ候いつるほどに人ぶなくしてがくしやうども(学生共)をせめ食なくしてゆきをもちて命をたすけて候ところにさきにうへのどの(上野殿)よりいも二駄これ一だはたまにもすぎ。


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満月城岡山ポケット版御書