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2016年2月度
座談会資料

日蓮正宗・宗門の3つの邪義とその破折

(創価学会会則 教示条項の改正)


皆さん、こんばんは。満月です。

はじめに
原田会長は、聖教新聞2014年11月8日付の「創価学会会則 教示条項の改正について」で『大謗法の地にある弘安2年の御本尊は受持の対象にはいたしません。』(*1)
との発表をされました。

それに続く2015年1月29日付の教学部の解説では、
「本門の本尊」としては、「弘安2年(1279年)の御本尊」も含まれるが、それのみが「本門の本尊」だとするものではない。まして「弘安2年の御本尊」に繋がらなければ、他の本尊は一切力用を発揮しないなどとする独善的な本尊観は、大聖人の仏法に違背するものであることは明白である。』と解説されています。(→ということは「弘安2年の御本尊を特別な存在とする宗門の教義」は邪義になります。今回の会則改正は教義の変更ではなく、教義解釈の変更の位置づけです。)

又、昨年末に発表された創価学会勤行要典(*2)でも、御本尊への感謝の御祈念文が「法華経の肝心・南無妙法蓮華経の御本尊に南無し、報恩感謝申し上げます。」に変わり、一閻浮提総与の大御本尊の記述はなくなりました。このことを踏まえ、これまでの宗門の邪義に対して、個人的に掘り下げて破折をさせていただきます。

邪義1
『大聖人、日興上人から連綿と唯授一人の血脈の法水写瓶を受けた代々の法主の内証は大聖人と同じであり、信徒は信伏随従すべきである。(大御本尊と血脈相承と貫首は一体である[三位一体論] )』

破折
・17世の日精は大聖人の教義に背き「釈迦仏造立・法華経一経読誦」の謗法を犯した。59世日亨法主も日精の邪義を破折しておられる。日亨法主は相承を受けても自分の内証は変わらないと言われている。
・「時の貫首為りと雖も仏法に相違して己義を構えば之を用う可からざる事。(日興遺誡置文)」と書かれているのは、日興上人が将来、謗法の貫首がでることを予想されている証拠でもある。血脈相承を受けた法主でも、間違いを起こすことがあり、その場合は従ってはならない
・創価学会仏教哲学大辞典を見ると、この「造仏」の事は書かれていたので、学会としては貫首の謗法の事も当然存知の上で、和合僧の観点から、法主無謬論に異議だてをしなかったと思います。

邪義2
『大聖人は、熱原法難での殉教の姿を見て、いまこそ出世の本懐を遂げる時が来たと、一閻浮提総与の大御本尊を御図顕され、弟子の日法に楠の木の板に彫刻させた。(「楠板御本尊」)この大御本尊が大石寺に御安置されてきた。信徒に下付する羅本尊は法主がこの板御本尊を書写したものである。聖人御難事に「仏は四十余年天台大師は三十余年伝教大師は二十余年に出世の本懐を遂げ給う、其中の大難申す計りなし先先に申すがごとし、余は二十七年なり其の間の大難は各各かつしろしめせり。P1189」とある通りである。』

破折
・聖人御難事にある、「四十余年」は釈尊がその生涯のなかで経験した九横の大難を表し、「三十余年」は南北三七の難、「二十余年」は南都六宗の難を表している。「二十七年」は大聖人が生涯のなかで受けられた「伊豆流罪、小松原、竜の口、熱原の法難など」のことを表す。出世の本懐とは「仏の大難」を通し、三大秘法をもって、末法万年の道を完成したことを意味している。
三大秘法とは、本門の本尊、本門の戒壇、本門の題目の3つであり大御本尊御図顕ではない。
大聖人は竜の口の法難の後、文永8年10月9日からすでに、御本尊を御図顕されている。
聖人御難事に「日蓮二十七年が間弘長元年[辛酉]五月十二日には伊豆の国へ流罪、文永元年[甲子]十一月十一日頭にきずをかほり左の手を打ちをらる、同文永八年[辛未]九月十二日佐渡の国へ配流又頭の座に望む、其の外に弟子を殺され切られ追出くわれう等かずをしらず、仏の大難には及ぶか勝れたるか其は知らず、竜樹天親天台伝教は余に肩を並べがたし、P1189」とある通りである。

・大聖人は、聖人御難事のように、御書には詳細に日付と出来事を書き綴られている。しかし、10月12日に御本尊を御図顕されたと書かれた御書はない。もし、一生の中で一番大事な出来事であれば、御書に書かれないわけがない。尚、「一見の後秘して他見有る可からず。(中略)秘す可し秘す可し。P1023」と書かれているのは、一念三千の法門のことであって、御本尊御図顕のことではない。

・御書全集には「本尊」、「御本尊」、「観心本尊」のお言葉が141カ所ある。しかし、「大御本尊」「戒壇の御本尊」のお言葉は、一カ所もない。つまり、大聖人は、「一機一縁の御本尊」と「特別な大御本尊」という区別をされておらず、すべて「本門の御本尊」である。しいていえば広・略・要・要要の相貌の違いのみ。『自宅の御本尊が大御本尊につながっているから功徳がある』のではなく、大聖人が御図顕された御本尊および、大聖人の命によって書写されたすべての御本尊が「本門の御本尊」である。その上で、大聖人は、「此の御本尊全く余所に求る事なかれ只我れ等衆生の法華経を持ちて南無妙法蓮華経と唱うる胸中の肉団におはしますなりP1244」と言われている。

・後に法華構総講頭になった熊田葦城(そうじょう?)は、大石寺の許可を受け、明治44年に、「楠板御本尊」を写真撮影し、著書を出版している(『日蓮上人』報知社*3)。宗門は御本尊を写真撮影するのは謗法と言っているが、堀日亨法主の富士宗学要集にも13枚の御本尊写真が載っており、昭和初年に日蓮正宗の僧侶が編纂した「日蓮大聖人御書新集」にも御本尊の写真が載っている。聖教新聞61号、大百蓮華81号にも御本尊の写真が載っている(「石山本尊の研究-02」P98,P100)。
昔は御本尊の撮影は問題なかった。楠板御本尊を含め、御本尊の写真を基にした様々な研究解析がされている。他宗保管の御真筆御本尊一覧(*4)も公開されている。要法寺学者(*5)や他の研究成果は、以下の通り。

*楠板御本尊は、大聖人が弘安3年5月9日に日禅師(大石寺南之坊開基・少輔房日禅)に授与された御本尊(大石寺蔵)のお題目と花押の部分を模写し、その他の御文字は6世日時法主か9世日有法主師の筆であるとの説がある。(河辺メモ*6) (私には、この写真画像の重ね合わせの研究結果は矛盾がないように感じました。*7

*大阪の壮年部のサムさんの研究(*8)によれば「楠板御本尊」には以下の矛盾点がある。

@御真筆で図顕年月日が記載されている御本尊は全て「干支(かんし)」も付記されている。
 例: 弘安二年[太歳己卯]たいさいつちのとう(御書にも太歳干支が書かれています)
しかし楠板本尊には干支の記載が無い。干支を書かないのは日興上人以降の様式である。

A弘安元年七月以降の御真筆本尊は全て「仏滅度後」との讃文だが、楠板本尊は「仏滅後」であり、表示が違う。

*日興上人が書かれた御本尊七箇相承には、「一、仏滅度後と書く可しと云ふ事如何、師の曰はく仏滅度後二千二百三十余年の間・一閻浮提の内・未曽有の大曼荼羅なりと遊ばさるゝ儘書写し奉るこそ御本尊書写にてはあらめ、之を略し奉る事大僻見不相伝の至極なり。」。」(富要1巻P32 *9) 日興上人以降、書写された御本尊は、「二千二百三十余年」なのに対し、楠板御本尊は「二千二百二十余年」と書かれている。(10年早い)

*大聖人の百六箇抄には「御本尊書写の事予が顕し奉るが如くなるべし、若し日蓮御判と書かずんば天神地祇もよも用い給わじ、上行無辺行と持国と浄行安立行と毘沙門との間には若悩乱者頭破七分有供養者福過十号と之を書す可きなり、経中の明文等意に任す可きか。P0869」と書かれています。日興上人以降、書写された御本尊には、「若悩乱者頭破七分」「有供養者福過十号」の讃文が書写されているが、この楠板御本尊にはお認めになっていない。

*楠板御本尊の腰書には「一閻浮提総与」とは認められていません。「本門戒壇之願主弥四郎国重 法華講衆等敬白」と認められています。しかし、大聖人の御書全集の中に、「法華講」と書かれた文字はありません。(日興上人の著作にあり(佐渡国法華講衆御返事))

富士宗学要集(8巻P177〜)によると、大石寺、妙本寺久遠寺、要法寺、法華寺、北山本門寺、西山本門寺、他教団に、大聖人直筆の御本尊は39幅あると書かれています。この中の脇書には、「本門寺重宝たるべきなり」、「本門寺に懸け奉り万年の重宝たるべきなり」、「本門寺に懸け末代の重宝たるべきなり」「本門寺に懸け万年の重宝たるべし」「大本門寺の重宝なり」など、8幅の御本尊に「本門寺」のお認めがあります。
サムさんは、「日興上人は幾つかの御本尊を本門寺が建立された時には、これらを懸けるつもりだったのでしょう。(本門寺の本尊について)」と書かれています。

・9世日有法主より以前には、楠板御本尊に関する記述がないようです。要法寺学頭・日志の『宝冊』に、『大石寺に戒壇の本尊あり、惜哉(おしいかな)九代目日有師之を彫刻してその本紙を失す』と書かれています。要法寺日辰の『祖師伝』には、その後日有法主は病気になったと書かれています。宗門は、疲弊した宗派を護るため、又、唯一の正統性を強調するため、他門流との優位性を確立するために、一閻浮提総与という邪義を持ち込んだのではないかと思います。

・創価大学文学部教授の宮田幸一さんは、ご在世当時の裁判制度から『池上相承書』『身延相承書』の二箇相承が存在しなかったとの考えを発表されています。これが真実であれば、宗門は自分の門流の正当性を権威化するためには手段を択ばないということが言えます。軍部政府の弾圧を恐れて神札を受け取った宗門の姿は、これまでの宗門の姿勢を証明しています。

邪義3
阿部日顕は69世日達法主より、相承を受けた。

破折(*11)
・通常行われてきた「相承の儀式」がされていない。日顕は自分が受けたと自ら言ってるだけ。相承は内容は公開しなくても、儀式そのものは大勢の僧が警護等で立ち会うなど、決して秘密に行われるのではない。また、日達法主が一年以上も宗内に秘密にして、内々に相承を行わなければならなかった理由もない。

・日達法主逝去直後、日顕は遺族に「あと(相承)のこと、君たち聞いているか?」と尋ねた。自分が受けていれば、あり得ない話である。

・本来、相承を受けた法主の手元にあるべき「相承箱」が、いまだに所在不明。さらに、相承箱の中身についても一言も触れられないでいる。

・宗門では、原則として次期法主は能化から選ばれ、法主就任が決まれば学頭に任じられる。ところが日顕は、相承を受けたはずの昭和53年4月以降も、能化にも学頭にもなっていない。

・日達法主が生前、「阿部はとんでもない」「阿部はダメだ」と語っていたのを何人もの人が聞いている。さらに、亡くなる前年の夏、すなわち日顕があったという相承の後も、「跡がいないんだよ、跡が……」と嘆いている。

・日達法主が誰にも相承しなかったのは、意義深いと思います。日蓮正宗の血脈は断絶し、今後、日蓮正宗には、法主は永久不在になりました。大聖人から託された世界広宣流布の使命を担う、唯一の血脈を保つ創価学会の魂と翼の独立の時を迎えたのだと思います。

おわりに
入信当時、私は法主は大聖人と同じだと先輩から聞いて、その通りに納得していました。宗門問題が起きた時は初めは驚きましたが、不破優編の「地涌からの通信」(*12)を食い入るように読み、法主無謬論が邪義であることがよく理解できました。これで邪義は全てだと思ったのですが、今回、一閻浮提総与戒壇の大御本尊という虚偽のカテゴライズによる権威づけの邪義を知った時も非常に驚きました。いままでは他宗保管であれ、御本尊の写真を見ることは信仰上の混乱を危惧して避けてきましたが、今回は大御本尊という根幹の問題ですので、そんなこともいっておらず、以下の参考文献を緻密に読みました。結果としては、また一歩深く研鑽できたので、非常によかったです。
私はもともと大学受験で浪人していた時に池田先生の本を久留米の石橋図書館で偶然見つけ、その本に出会えたことが嬉しくて嬉しくて先生の本をたくさん買い、それが縁で19才の時に岡山学生部で入会しました。入会して3ケ月くらいした頃、御本尊に唱題をしている時に非常に不思議な体験をし、「南妙法蓮華経の御本尊は、宇宙の一切の基準である」との確信を持ちました。その確信は今までと全く変わりはなく、創価学会という大聖人直結の団体のメンバーでいられることに深く感謝しています。

さて、
雪山童子の説話で、鬼は和らかな肉を食べ、暖かな血を飲まないと半偈を説くことができないという「嘘」をついたのですが、雪山童子はその嘘に従って、供養の為に高い木の上から身を投げたのですが、鬼は帝釈の姿に戻り雪山童子が地に落ちる前にその身を受取り、平たい所にすえて、恭敬礼拝し、嘘をついて試したことを詫びて、後の世には自分を救って下さいと懇願しました。雪山童子はこの身供養の功徳によって、十二劫生死の罪を滅したと涅槃経に書かれています(御書P1383)。例え、身命を削る思いで正本堂建立にご供養された因縁が、宗門の邪義に基づくものであっても、ご供養の功徳は、将来全部自分の身に帰ってくると思います。仏法に無駄はありません。

参考文献
*01創価学会会則 改正について(原田会長)会則の教義条項改正に関する解説(創価学会教学部)
http://blog.livedoor.jp/yamakimu2000/archives/1814172.html
*02創価学会・新勤行要典について 原田会長の趣旨説明
http://blog.livedoor.jp/yamakimu2000/archives/2015-11-29.html
*03熊田葦城著『日蓮上人』楠板御本尊写真を掲載
http://www.houonsha.co.jp/jiyu/06/239.html
*04日蓮聖人大漫荼羅一覧
http://homepage3.nifty.com/juhoukai/mandara/mandaraitiran.html
*05『石山(せきざん)本尊の研究』京都要法寺僧侶 柳澤宏道編著
http://goo.gl/Wrduud
http://goo.gl/R8tD0V
http://goo.gl/HYWbr9
*06河辺メモ全文
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5976/kawabe-memo.htm
*07佛教再考 日禅授与の本尊のお題目と花押を模写
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/6963/doki.html
*08大阪の壮年部サムさんのブログ
http://ameblo.jp/kingdog136/entry-12068937979.html
*09富士宗学要集第一巻 御本尊七箇相承
http://www.mitene.or.jp/~hokkekou/yousyuu/yousyuu1_1.htm
*10本門寺(・・に懸け、・・の重宝)の本尊について
http://ameblo.jp/kingdog136/entry-12089867061.html
*11新・教宣ハンドブック


Since 2016/2/4
Update 2016/3/4



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